鳳凰も龍も共に「神道と仏教」が融合した神仏習合で、とくに『鳳凰と龍』の組み合わせは、天下泰平や繁栄、権威を示す＂最高の吉祥＂として特権階級の人々に珍重されました大規模な宴では＂大皿＂が慶ばれましたので、大名・公家への献上・贈答品、又は特別な注文かと思います表面に「草木花・人・動物・景色」を描かない画風は＂極めて稀＂です鳳凰の起源は風の神、龍は雷雲を呼び水を司る水神、巴は雷神が背負う太鼓に描かれた雷（神鳴り）、稲妻は雨を降らせ稲に実りを与える事から、自然を司る神々が万物に恩恵を与える「水」への畏怖の念を感じます【鳳凰】鳳凰は『瑞祥と吉祥・平和の象徴』円を描く長い尾羽が独創的です【阿吽の双龍・雲龍図】万物の初めと終わりを示す『あ・うん』の双龍図で、仁王像・狛犬と同じく邪気を祓う意がございます龍の胴体を画面から切り離し、皿の湾曲面を曲がりくねらせることで躍動感を高めた構図は斬新で、雲の白い縁取りは＂墨弾き＂だと思います豊臣秀吉に画才を認められた絵師・海北友松が描いた建仁寺の方丈襖絵『雲龍図』の龍に容貌が似ております更に『尻尾の先』まで丁寧な描画は＂極めて稀＂で、龍への造詣が深く、洞察力に優れた絵師による筆致に疑う余地はございません【右二つ巴紋・隅立て稲妻紋】両紋の歴史は大変古く、日本では社寺の神紋・寺紋、公家・武家の家紋としても歴史ある紋です巴紋に描く「○に・」模様は大変珍しく、つながりに始まりと終わりがない事から＂無限＂を示す吉祥文様ですまた巴紋と稲妻紋は厄除けでもあり、六つの紋と双龍は鳳凰を守護しているかのようです鳳凰と龍、巴紋と稲妻紋も「反時計回り」には意図を感じます巴紋と稲妻紋の「△と▽」の三角形を重ねると魔除けの籠目紋、六芒星をも予見させます輪花の縁は淡青色で彩られ、目立つ目跡一箇所の痕跡は『器の美』を求めた証です大明成化年製を「太明」と記した大皿は古伊万里にも多く中国磁器の模倣が始まりで、「大明」と記さなかった陶工の尊厳に畏敬の念を感じます豊臣秀吉の大阪城近くの旧家所蔵の大皿が放つ画境に感銘し30年前に購入しました詳細は不明ですが、幾多の災禍を逃れた大皿には生命力を感じますW約50×H約6.5 #古伊万里　#豊臣秀吉#骨董 #和食器 #骨董品 #アンティーク #古美術 #和骨董